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アルコール性肝障害の貧血

「貧血」と聞くと、鉄分をとらなきゃ!と考える方が多いと思います。でも、貧血には種類があるのです。

貧血は、赤血球(RBC)、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)を組み合わせて原因を探ります。

 

MCVをご存知でしょうか?平均赤血球容積(Mean Corpuscular Volume) 血中に含まれる赤血球の大きさを表します。血液検査をした時に、何やら分からない英語がごちゃごちゃ・・・そうです、そんな感じで表記されているかも知れません。

 

【MCVと貧血】

計算式 ヘマトクリット(Ht)➗赤血球

基準値 85〜102(fl)

赤血球1個の大きさ  ≦84     小球性

          85〜102 正常性

          103≦      大球性

 

アルコールを多飲している方に、この大球性貧血が見つかりました。多量の飲酒が原因で、葉酸・ビタミンB12の利用が障害され、赤血球が成長できないのです。

 

【赤血球の生成に働く赤いビタミン:ビタミンB12と、共に働く造血ビタミン:葉酸】

ビタミンB12と葉酸は関係が深く、共に働き貧血を防ぎます。

・ビタミンB12は、赤血球が生成される時にヘモグロビンが合成されるのを助ける補酵素です。

原則、動物性食品にしか含まれていません。肉類(レバーや豚肉に多い)や魚介類では貝類全般に多く含まれます。

ただし、例外的に植物性の食品で「海苔」には、ビタミンB12が含まれているのです。

 

・葉酸は、赤血球が正常に作り出される時に必須の成分です。ですので、よく「造血ビタミン」とも言われます。

名前の通りほうれん草から発見されたビタミンで、野菜や果物に豊富です。特に、ほうれん草のほか、春菊や菜の花、ブロッコロー、モロヘイヤなどの葉野菜、緑色野菜に多く含まれます。

 

アルコールを飲む時には、動物性のたんぱく質と緑色野菜でバランスをとったおつまみがいいですね。

 

それ以前に、飲み過ぎは注意ですね!!