こんにちは。管理栄養士の清水です。今月のテーマは「ダイエット」。甘いものは控えなきゃ!と頑張っている方が多いと思います。では、果物はどうでしょうか?!甘いから良くない?でも健康に良さそう・・今回はそんな果物について取り上げてみましょう。
日本人の果物摂取量は年々低下していることはご存知でしょうか?1日の果物摂取目標「200g」のところ、実際には「平均110.6g」(令和元年国民健康・栄養調査<厚生労働省>)となっています。
減少の理由には、「値段が高い」「皮を剥いたり食べるのが面倒」そして、「甘いので糖分が気になる」などだそうです。確かに、果物は甘く野菜と比べたらその差は歴然です。糖尿病患者さんへ「果物禁止!」と指示する医師がいるほどです。
では、本当に果物は禁止した方が、糖尿病の管理に良いのでしょうか?
果物に含まれる糖分の多くは「果糖(かとう)」ということは、聞いたことがあるでしょうか。少し栄養学的に説明しますと、果糖(フルクトース)・ブドウ糖(グルコース)は、単糖(もうこれ以上分解することができない最小単位)の糖です。(※ちなみに、砂糖はブドウ糖+果糖でできた二糖類です)
血糖値は、血液中のブドウ糖の濃度なので、果糖が直接的に血糖値を上げることはありません。ブドウ糖よりも果糖の方が糖尿病のコントロールには好ましい、とも言えるかも知れません。「砂糖を使ったお菓子より→果物にする」といった感じですね。しかし、果糖も体内でブドウ糖に変換され、ブドウ糖そのものよりは力は弱いまでも、血糖値は上がりますのでいくら食べても良いということではありませんのでご注意を。
お菓子より→果物にする場合、まだまだ暑い日が続きますので、「冷凍フルーツ」にして、アイスやかき氷などの代わりにしてもいいですね!
【おすすめの冷凍】
・一口大にカットして保存袋に入れる(メロン、パイナップル、バナナ、ぶどうなど)
・冷凍した果物と豆乳や牛乳でミキサーにかけて、スムージーにする
・冷凍した果物をおろし金ですりおろし、シャーベットにする
・アイスティーに冷凍果物を入れて、フルーツティにする
(炭酸水にすれば、フルーツポンチ風に)
【果物一日摂取目標200gってどのくらい?】
適量であれば、糖尿病の方であっても食べて大丈夫な果物。では、その適量をみていきましょう。
・キウイフルーツ、みかん 適量1.5個〜2個(1個約120g程度)
・桃、柿 適量1個(1個約200g程度)
・梨、りんご 適量1/2個(1個約350g程度)
・バナナ 適量1本(1本約150g程度)
・スイカ 適量三角カット1/2切(1/8玉1500g程度)
・巨峰 適量10粒(1房350g程度)
普段食べている果物の量と比較していかがでしょうか?多い場合は、過剰な糖分が肝臓で中性脂肪に合成され太る原因となるので注意です。少ない方は、もう少し果物から栄養を摂取しても良いですね。
【果物の機能性成分】
<ビタミンC>
果物を食べるメリットは、果物の持つビタミンや食物繊維等の機能性成分の効果です。特に果物にはビタミンCが多く含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠で肌を健康な状態に保ってくれます。また、鉄の吸収をよくする働きがあるため、鉄欠乏性貧血の予防にも摂取したい栄養素です。
ビタミンCは熱に弱く、また空気に触れることで減少してしまいます。生でそのまま食べるのが一番効率よくビタミンを摂取できます。搾汁してジュースにしたり、カットした場合にはなるべく早めに食べることをおすすめします。
<ポリフェノール>
果物はポリフェノールが豊富。果物自身が紫外線から身を守るために作り出されたその色素に、抗酸化作用があります。代表的なものとして、ぶどう・いちご・りんごなどのアントシアニン、スイカのリコピン、みかんのクリプトキサンチンなどです。動脈硬化には、コレステロールの酸化が大きく関与していると考えられていますので、動脈硬化の予防のために、積極的に抗酸化作用のある果物をとっていきたいですね。
<カリウム>
カリウムと食塩のもとであるナトリウムはバランスを取り合う関係にあり、多く摂りすぎたナトリウムを排泄する作用があります。日本人は、食塩としてナトリウムを摂りすぎる傾向にあるため、カリウムの摂取が重要になるのです。
カリウムは多くの食品中に含まれますが、水に溶ける性質があるため茹でるなどの調理で損失が大きくなります。果物は生で食べることが多いため、効率よくカリウムを摂取できるのです。血圧が高めで減塩をしている方には、特に積極的にとっていただきたい栄養素です。(※腎臓病でカリウム制限をしている方は除く)
<食物繊維>
果物に豊富に含まれる食物繊維は、ペクチンという水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は、糖質の吸収を遅らせ、急激な血糖値の上昇を抑える働きがあります。また、コレステロールの吸収を阻害、排泄を促す作用もあり、糖尿病はじめ、心疾患等の生活習慣病の予防にも効果的です。
今回は果物を取り上げてみました。上手に適量をとってダイエットを有効にしたり、また栄養補給にしていただければと思います!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
管理栄養士 清水里子^^
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