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座りっぱなしを減らそう!

こんにちは、管理栄養士の清水です。6月に入り、だいぶ気温も上がって過ごしやすい陽気になりましたね。梅雨入り前のこの良い季節に思いっきり身体を動かして、気持ちも晴れやかにお過ごしいただければと思います!

 

さて、今回のティータイムのテーマですが、この度WHO(世界保健機関)からの身体活動・座位行動ガイドラインが改定されたこともありましたので「身体活動」を取り上げたいと思います。

 

このガイドラインでは、主に健常者の健康作りを目的としていますが、詳細には子どもや高齢者、妊娠中及び産後の女性、慢性疾患のある方、障害のある方に対しての推奨も示されています。今回は新しく「座位行動を減らす推奨」がなされたり、「10分以上継続した活動のみを考慮するというバウト(ひとまとまりの身体活動)の概念がなくなり、さらに細切でも効果がある」ことなどが示されました。要約をお伝えしたいと思います。

WHO身体活動・座位行動ガイドラインからの「重要なメッセージ」

①身体活動は心身の健康に寄与する

定期的な身体活動は、世界の死亡者数の4分の3近くを占める心臓病、2型糖尿病、がんといった疾病の予防・管理に貢献する。また身体活動は、うつや不安の症状を軽減し、思考力、学習力、総合的な幸福感を高める。

 

②少しの身体活動でも何もしないよりは良い。多い方がより良い。

健康と幸福のために、少なくとも、成人では週に150〜300分の中強度の有酸素性の身体活動(または、それと同等の量の高強度の有酸素性の身体活動)が、子どもや青少年では、1日平均60分の中強度の有酸素性の身体活動が推奨される。

 

③すべての身体活動に意味がある。

仕事やスポーツ、余暇、移動(ウォーキング、スケートボード、サイクリング)だけでなく、日常の生活活動や家事も身体活動に含まれる。

 

④筋力強化は全ての人の健康に役立つ。

高齢者(65歳以上)は、転倒予防と健康増進のために、筋力の強化だけでなく、バランスと協調(身体の各部位を調和して思い通りに動かせる能力)を重視した身体活動を取り入れるべきである。

 

⑤座りすぎで不健康になる。

座りすぎは心臓病、がん、2型糖尿病リスクを高める。座りっぱなしの時間を減らし、身体活動を行うことは健康に良い。

 

⑥身体活動を増やし、座位行動を減らすことにより、妊娠中及び産後の女性、慢性疾患のある人障害のある人を含むすべての人が健康効果を得られる。

<ガイドラインを受けてどう実践していくべきか>

WHOのガイドラインの「成人では週150分〜の有酸素性の身体活動」を推奨していますが、実は日本の厚生労働省の「健康づくりのための身体活動指針」では「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分以上」推奨とされています。世界中の人々と比較して、日本人はアクティブなようで、基準は日本の方が高いのです。皆さまの身体活動はいかがでしょうか?

 

日本人用に作られた基準を満たすことが望ましいとは思われますが、現在身体活動量が少ない方は「少しの身体活動でも何もしないよりは良い」ですので、まずはWHOのガイドラインを目標にし、そしてできる量から少しずつ活動量を上げてみてはいかがでしょうか!

 

また、有酸素性運動だけでなく、筋力向上とマルチコンポーネント身体活動の推奨も注目です。ウォーキングだけでなく、筋力トレーニングやバランス運動、柔軟体操などの多様な運動も取り入れた方がより効果的ということです。年齢を重ねるごとに、現在行っている運動の種類や組み合わせなども見直せると良いですね。

 

どうしても座り時間が長くなる現代ですが、その座位時間を身体活動に置き換えることで、健康効果が得られることがわかってきており、強く推奨されています。早速今日から身体を動かしてみましょう!!

今回も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。皆さまの健康管理をこれからも応援しております!今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

清水里子^^